Greetings
ご挨拶
当坊は久遠成院日親上人を開基とする身延山塔頭の寺院です。
日親上人は室町時代の応永十四年(1407)、千葉県山武郡埴谷(はにや)に生まれました。
幼名を「寅菊丸」といいます。十四歳の時に中山法華経寺五世の日暹(にっせん)上人に師事し、その名を「日親」に改めました。
東西に馳走し、南北に往返して、寺院を建立すること三十有余、拷問禁獄の呵責を蒙っては、我不愛身命の金言を磨き、法難に明け暮れた伝道の生活でした。なかでも灼熱の鍋を頭に被せられるという拷問を受けた時、髪は燃え、肉もただれましたが、お題目は唱え続けられました。
世人はこの話を聞いて「なべかむり(鍋冠)日親上人」と呼ぶようになったと伝わります。
当坊は、宝徳二年(1450)六月十五日、日蓮聖人の御廟に給仕を念願された日親上人が、身延山醍醐谷に庵室を構えた日をもって開創とします。
明治四十二年(1909)、西谷祖廟域近くに移転し、その後昭和十四年(1939)五月、祖廟整備の方針に従い、現在の地に移りました。
近年は宿坊を営むなど、日蓮大聖人を慕って身延山久遠寺を訪れる方々の参拝のお手伝いをさせて頂いております。